山本浩輔奮闘記

考えをつらつらと。頭でっかちな学生ですが、自らの意見と日々の行動を記録してます。

金沢

これからこの一週間で回った街について書く。

金沢(1日目)
近江市場、東茶屋、兼六園、伝統工芸品館、金沢城21世紀美術館鈴木大拙記念館、本多美術館、歴史博物館、県立美術館、尾山神社、老舗博物館、武家屋敷、足軽美術館、西茶屋

朝早くに到着、近江市場まで散策。市場はまだ開いておらず、働く人々は1,2時間後の客が集まる時間帯に向け、魚を並べたり、値札をつけたりする作業で忙しくしていた。
市場を通り抜け東茶屋までいくと、まだ誰もいない。ここは街道から金沢に入る人々がまず休息する宿場町、花街として栄えた場所である。浅野川からみた、橋と川沿いの住宅が並ぶ様子は情緒がある。
印象的だったのは、渋い紅色の町屋の二階部分の引き戸の装飾性の少なさだ。
その装飾の少なさが町屋に並んでいるので、均整がとれていて非常に美しい。紅色のおかげで、街全体が花街らしく、華やかな印象を受けた。
そのあと兼六園に向かう。灯篭からの庭園の景色が有名だが、それ以上に枝を大きく広げた力強い数々の松が印象的だった。

兼六園とつなぎになっている伝統工芸品館には驚いた。金沢を地方都市の一つとしか見ていなかったが、京都に負けずとも劣らないほど洗練された工芸品の数々が並ぶ。加賀友禅、輪島塗、九谷焼、などなどその数は地方都市と言えないほど豊富である。加賀百万石の力をまざまざと見た感がある。

 

かつて金沢城兼六園を隔てていた堀を渡り、金沢城へ。櫓が白く眩しささえ感じる。奥に入ると100間櫓と呼ばれる再建された櫓が目に入る。「美しい」という言葉がぴったりである。今まで数々の城を見てきた自分ではあるが、これほどまでの美しさを持つ城を見たのは初めてである。シンプルでありながら、優雅さを感じる。さらに「白さ」が清純な雰囲気を醸し出している。

石垣も興味深い。大抵の城郭は、石垣の石組みの方法は統一されているものだが、この城は何しろ3種類もあり、前田利家の時代から、明治維新まで引き継がれた石垣の時代の変遷を楽しむことができる。訪問者に外国人が多いのにも驚いた。金沢まで足を延ばしている人々は、もう京都などの街はあらかた回ってしまったベテランビジターなのかもしれない。

そして金沢は現代でもアートの発信地であろうとする気概を持つ街でもある。次に訪問した金沢21世紀美術館では、最新鋭のアートに触れることができる。正直いって全く理解できないもの(抱き枕が糸に引きづられて地を這う展示が最たるものだった)が多かったが、地域の伝承をフエルトで表現した一連の展示が興味深かった。そのなかの話で印象的だったのが、貧しいのにもかかわらず、子供が増えすぎてしまいこれ以上養うことができない状況に追い詰めれた妊婦が、柿の木に登り、枝が折れるのを待ち、落下した衝撃で流産をするという話である。一昔前の日本の地域で起こされた悲劇の一つだろう。


今日はここまで。次からは鈴木大拙記念館から書く。